ご先祖様の戒め

母の写経

これは姉が中学生の時の話なんですが、

当時姉は、とても荒れていました。

いわゆる「不良」みたいな感じで、次々に事件を起こしては、

母は学校に呼び出されて、頭を下げていました。

 

ある日、思いつめられたのか、母は「写経」を始めました。

写経と言うのは文字どおり、お経を写す行為で、

般若心経が書かれている紙の上に、薄い半紙を載せて

筆で透けた文字をなぞっていくのです。

 

母が鬼の様に見えた

母は、皆が寝静まる頃に、

ひっそりと和室で写経したのですが、

一度台所にお茶を飲みに行ったときに、その姿を見ました。

 

それは、まるで母ではなく別の人の様に見えました。

ははの背後にまるで、炎のようにゆらゆら揺れるなにかが

あって、母の顔はまるで鬼のようでした。

 

当時、私は小学生だったのですが、

見てはいけないものを見てしまった感じで

逃げるようにその場を立ち去りました。

正直とても怖かったです。

おとなしくなった姉

それからしばらくして、荒れていた姉が急におとなしくなりました。

見た目は、変わっていませんが、

家族にもあたりが優しくなったし、

母が学校に呼びだされる事もなくなりました。

 

母は、いつからか、写経を辞めて

 

姉も徐々に勉強もする様になり、高校受験もして

無事に合格する事ができました。

 

ご先祖様の戒め

後日、姉の変化について、本人に聞いたのですが、

その時期に姉が寝ていると、

何度も、巫女さんが現れたそうです。

巫女さんは何も言わないが、あきらかにお怒りで、

寝ている姉の上を、すれすれに飛んできたり、

ある日は、逆さまの状態で、突然、顔の前に現れたりして、姉を懲らしめていたらしいです。

 

姉は、血筋に巫女さんがいること、その巫女さんが自分ににていた事で

その方がご先祖様だと分かったらしく、

 

「ご先祖様。もう悪いことはしません、だから辞めてください。」とお願いしたらしいです。

 

そして、その巫女さんが現れていた時期は、母が写経していた時期と

ピッタリ重なります。

ご先祖様が母の思いを届け、姉の道を正してくれたのでしょう。

 

 

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